父との思い出を書こうと思ったが。
なんと、コレと言って思い出せない。
別に仲が悪い訳ではなく、むしろ、非常に仲が良い。
今では親友のような関係性となっている。
毎日、一緒に過ごしたり、一緒に飯を食ったりしている。
そうか、今わかった。
父との思い出を思い出そうとすると、人生まるごと、思い出す事になってしまうんだ。
28年間。一緒に暮らしている。
家族が絡む行事のときには、必ず父もいるし、小学校、中学校、高校、大学、就職、結婚。
その場には父はいなくとも、学校で頑張る私の後ろには一緒に暮らす父がいる。
小、中学校で不登校になったときも、高校に頑張って行っていたときも、大学生となり、遊び歩いて家に帰らなかったときも、父はいつもいた。
特別、私に、何かをしてくれたわけではない。
宿題を手伝ってくれたわけでもないし、学校の事を相談する事もそれほど多くなかった。
父と何をしたか、具体的な事が全くもって思い出せないのだが、ずっと一緒に暮らしていた。
この安心感はすごかったな。
父に怒られたこともない。
一緒に出掛けた事はもちろん何度もあるが。
とにかく、父はいるだけで、安心感がすごかった。
父が取り乱したところを見たことがない。
怒ったところも。しかし、決してなよなよしているわけではなく、鋭い眼光と、ユーモアと、技術を持っている人だ。
最近は酒ばっか飲んでいる好々爺になってしまったがw
定年して、のほほんと過ごしていて、すごく良いと思う。
父との思い出は?と聞かれたら、
28年間一緒に過ごした事。となるだろう。
一緒に過ごした日々を思うと、それ自体が大きな思い出であり、涙が出そうである。
一番思い出すのは、私の名前を呼ぶ声だ。
父は、私と話をするとき、必ず名前を呼ぶ気がする。
私の名前を呼ぶ、その声に、一緒に過ごした28年間が全てが詰まっている気がする。
父の声に、私への信頼、期待、尊敬。全てを感じる。
父の顔を思い出すと、私を呼ぶ声が聞こえる。
長生きして欲しい。
今週のお題「おとうさん」
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