「真面目に生きてれば絶対に大丈夫だから。」
この言葉は私にとって、思い出深い言葉だ。
私が大学生の頃、先輩に言われた言葉。
その頃。
私は、真面目過ぎて悩んでいた。
真面目は損なのか?
正直者は馬鹿を見るのか?
クソ真面目に生きていた今までの人生に意味なんかなくて、不真面目にヘラヘラ生きてきた奴らが成功する世界なのか?
恋愛でも、仕事でも、なんでも、真面目なヤツより、勢いのある声の大きいだけの人が勝つのか・・・
そう思って苦しんでいた。
先輩
私はなぜか、目上の人と仲良くなれない。
友達は同級生と後輩が圧倒的に多いような人間だ。
しかも、その先輩は大学生(30)だったw
しかし、なぜか気が合って、先輩の家にはよくお邪魔してボードゲームとかやっていた。
多分、私は先輩のおとなしい真面目な雰囲気が好きだったんだと思う。
その先輩と飲みに言った帰りに、私は「真面目に生きてて意味あるんですかね?」みたいな弱音を吐いた。
ずっと喉につっかえている魚の骨みたいな問いだった。
先輩も結構酔っていたが
「キリンノックス大丈夫だ!真面目に生きてれば絶対に大丈夫だ!もうね、真面目に生きてれば絶対!絶対!大丈夫だから!」
っと言ってくれた。
力強い言葉だった。
私は、泣いた。
涙が出てきて止まらなかった。
何年かあと。
私はその言葉を別の後輩に言った。
私が勇気づけられた言葉で誰かを勇気付けたかったからだ。
その後輩は、今でも私の事を慕ってくれている。
しかし、今。私は考え方が変わった。
この記事に書いた通りだ。
真面目なだけではダメだ。
世の中そんなに、優しくない。
勇気や主体性を欠いた「バカ真面目なだけ」ではダメだ。
真面目な人は負ける。
粗野な人種は人生でいつも勝ちどきをあげる。繊細な人種はいつも負ける。負けて負けて負けつづける。これは、もう人類の歴史始まって以来の不動の法則だ。
中島義道『カイン―自分の「弱さ」に悩むきみへ (新潮文庫)』
「真面目に生きてれば絶対に大丈夫だ。」
その言葉を言われた時は、確かに私は勇気付けられた。
しかし、このような言葉はただ真面目であることを助長する。
自分が真面目であることに不満があるなら、真面目に生きるなんて辞めたほうが良い。
真面目に生きた人がバカを見る様なんか見たくない。
打算の真面目は本当の真面目なのか?
先生に怒られないために真面目に生きているのか?
トラブルが起きないために、真面目に生きているのか?
自分の評価を上げるために真面目に生きているのか?
報われるために、真面目に生きてるのか?
真面目に生きなければ、嫌だから。
真面目に生きなければ、気持ち悪いから。
真面目に誠実に生きなければ後悔してしまう気がするから。
ただ、真面目に生きたいから真面目に生きる。
それで負けても、後悔はしない。
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