これは、私が高校生のときの話。
私の友人Kは、私の自宅から徒歩1分の距離に住んでいる。
通っている高校は、自宅から、自転車で20分くらいの距離だ。
私もKも自転車通学。
よく、連れ立って通っていた。
その日は朝から、雨が降っていた。
朝、私の母が言った
母「車で送ってってあげようか?」
やったあ。
車なら濡れないし、楽だぞい。
そこで、私はKに電話し
キリンノ「おれの母さんが送ってくれるってさ!」
かくして、私とKは、母の車の後部座席に座って、高校に向かった。
雨の日の朝というのは
車が混む。
ちっとも進まない。
信号が青なのに、前が詰まっていて、車が進まないのだ。
信号が青から赤に変わって、青に変わり、また赤に変わった。
キリンノ「・・・やばくね?(遅刻じゃね?)」
まぁおれは別に良かった。
ちょい怒られるくらいだし、
しかし、Kは違った。
K「おれ皆勤賞狙ってんだよ!!!」
そりゃーやばい。
このまま車に座っていたら、確実に遅れる。
というか、今から車を飛び出して、走って、間に合うのか?
微妙だ。
まぁ考えていても仕方がない。
私達2人は車を飛び出し、学校に向かって傘もささずに走った。
おれは諦め気味だった
キリンノ「こりゃー無理っぽいぞ・・・」
Kに申し訳なかった。
私が車で行くことを提案したばっかりに、皆勤賞取れなくなって・・・
学校まで、約500mというところ、遅刻まで、2分くらいだろうか。
前方に自転車を押しながら友人の M がトボトボと歩いていた。
私達は走って M に追いついた。
K「M!!!自転車貸して!!!」
M「え!!??お!??!え!?!?」
K「ありがとう!!!」
他人の自転車で疾走するKの背中は小さくなっていった。
私は、Mと歩いて学校に向かった。
Mは意味のわからなさに笑っていた。
M「やばくね?あいつwwwおれ良いって言ってないのにww」
あまり気にしていないようだった。
私とMはゆっくり歩いて遅刻した
Kは間に合ったらしい。
Kは、無事皆勤賞をとって、卒業していきましたとさ。
後日談
K「動転してて「良いよ!」って声が聞こえた・・・」
切羽詰まると幻聴が聞こえるようである。
関連記事
コメント