認知症のおばあちゃんは言った。「おばあちゃんどこ行った?」

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私の祖母は88歳。認知症だ。

ネットやテレビの中だけの話かと思っていた。まさか、私が祖母に

 

「キリンノ、おめぇ、こけぇ入れといたゼニぃどけぇやっただぁ。どけぇもってっただぁ」

訳(キリンノ、お前、ここに入れておいたお金をどこにやった?どこに持っていった?)

 

と言われる日が来るとは夢にも思っていなかった。(うちは山梨県なので、うちのばあちゃんは方言が凄まじいです)(私の嫁(長野出身)は何を言ってるのか聞き取れないそうですw)

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祖母の認知症はゆっくり進行している。

最初はものを置き忘れたとか、◯◯がないとか言っていた。

 
 

しかし、そのものがなくなるというのを他人のせいにするようになってきてしまったのだ。

 
 

そして、妄想の人物とかも現れるようになった。

知らない人が入って来て、台所で料理をしていた。とか。

知らない人が豆を盗んでいった。とか。

今日はちっちゃい子供達は来ないのか?とか(うちに子供はまだいません)

 
 

そしてある日、死んだ人が蘇ってくるという現象が起こった。

「おかぁはどけぇいっただぁ(お母さんはどこに行ったのか?)」と言い始めた。

ちょwwwおばあちゃんのお母さんって何歳よ。

生きてれば120歳くらいかな?ww

ちょっとウケてしまった。

 
 

しきりに探していたので「帰ったよー」と言ってみた。

ばあ「どけぇけぇった?(どこに帰った?)」

キリンノ「自然に帰った」

ばあ「なにょーいっとるでぇ(何を言ってんだ)」

という会話をしたww

 
 

そしてまた、何日か後、おばあさんのおばあさんまで頭の中で復活してしまったのだ。

不思議なものである。

「おばぁはどけぇいった?(おばあさんはどこに行った?)」としつこく聞いてくる。

ちょwwwwおばあちゃんのおばあちゃんって何歳よwww

生きてれば150歳くらい?ww

 
 

試しに名前を聞いてみた「おばあって誰ー?」

「誰ってトクに決まっとる」

驚き。

私の曾曾祖母はトクという名前だった。

すごい、完全に蘇っている。

完全に帰ってきてる。 

 
 

そんなわたしのおばあちゃんですが、毎日、仲良くご飯を食べて、仲良くお茶を飲んで、のんびり生きています。

たまに、濡れ衣を着せられることもありますが、あんまり気にしてないよー。

 
 

私の認知症に対しての考え 

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みんな認知症とか言って病気みたいな扱いするけどさ。 

自然なことだと思うんです。

 
 

まず、うちのばあちゃん88歳にもなって年齢に起因するものだから、治せないし、治すもんでもないんじゃないかって思うんです。

 
 

まぁ医者につれていけば、医者は治すのが仕事だから治そうとするけども。

医者「歳だから諦めてください」なんて言ったらこのご時世いろいろ問題ありそうだから、いろんな薬だして、少しでも良くなるようにするんだろうけども。

 
 

でも、人はいつか死んじゃうんだから。

無理に治す!治す!ってやらなくても良いんじゃないかって思うんですよ。

老化も受け入れていく。そして、あんまり、気にしない。

 
 

今日もおばあさんは、おばあさんのおばあさんを探してるけど、こちらとしては、あんまり気にせず、「どこいっちゃったんだろーねー」とか言いながら過ごしています。 

人間いつかは必ず死んじゃうんだよね。楽しく生きれるだけ生きて、それで最後は旅立てば良い。

 
 

そう思うんです。 

 
 

メメント・モリ

 
 

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