夏休みですね!
夏休みといえば・・・
読書感想文!!!
私は読書感想文が死ぬほど嫌いだった。
とある平成の夏休み。
私、小学校4年生。
毎年やってくる強敵(感想文)。
私は、もう、やぶれかぶれ、絵本で書いてやろうと思って、40ページほどしかない絵本で書いてしまったのです。
こちらの絵本です。
小4と言えども、みんなちゃんと課題図書とか読んで書いてる中、一人、薄い絵本で書いてるんです。
この本、文字もそんなに多くない。
今考えれば、読書感想文嫌いな人には、文字が少ない本は不向きです。
本の文字数が少ない本で感想文を書くということは、より自分の中から、何かを出さなければならない。
しかし、小学生の私は流石にそこまで、頭回らず
「文字数が少なければ読むの楽じゃね!!?!??」っという浅はかな考えで文字数が少ない本を選んでしまったのだああああ
そんな男、いや、少年の末路を見てくれ。
1枚目
2枚目
衝撃の3枚目w
全文
ゆうかんなそうべいたち
小学校4年 キリンノックス
そうべいはおっちょこちょいだった。
ぼくもおっちょこちょいで、学校にノートをもっていくのをわすれたことがあるなあ。
今度からはもっていくようにしようと思いました。
ふんにょうじごくにおとされたときは、どのくらいくさいのかなと思いました。
すごくくさいならぼくはがまんできないだろうな。
じんどんきの顔はこわいなと思いました。
でもお兄ちゃんのほうがもっとこわいなあと思いました。
でもお兄ちゃんもやさしいところもあるからじんどんきよりこわくないなと思いました。
じんどんきのくしゃみは大きいけどお父さんのくしゃみのほうが大きいなと思いました。
じんどんきのへぶくろをけるとおならをする所がぼくはおもしろいなあと思いました。
熱湯のかまにそうべいたちがいれられようとしたとき、やまぶしが、「ちちんぷいぷいのぷうい。」とじゅもんをかけたらいいおんどになってすごいなあと思いました。
ぼくだったらそんなことできないなあと思いました。
でもまほうつかいがほんとにいたらできるんじゃないかなと思いました。
でもまほうつかいはほんとはいないから、やまぶしがやらなければできないんじゃないかなあと思いました。
はりの山にほうりなげられたときそうべいは、はりの上をはだしであるいてすごいなあと思いました、ぼくもぼくの家族もみんなできないなあと思いました。
でもサーカスだんみたいな人だったらできるんじゃないかなと思いました。
えんま大王はがまんできなくてじごくからほうりだした人だなあと思いました。
そうべいはさいごにじごくからほうりだされて生きかえってよかったなあと思いました。
でも本当は、生きかえらないけれど、この本では生きかえれるんだということを言いたいんだなあと思いました。
人生きかえるなんて不思議だなあと思いました。
うわああああああああああああwwwwww
思いました。思いました。思いました。思いました。思いました。思いましたーーーー!
ツッコミどこが満載過ぎるので、自分で自分の文章にツッコミたいと思います。
ゆうかんなそうべいたち
小学4年 キリンノックス
まず、おいww
そうべえだよwww
そうべいwww
勝手に名前変えんなwww
そうべいはおっちょこちょいだった。
ぼくもおっちょこちょいで、学校にノートをもっていくのをわすれたことがあるなあ。
今度からはもっていくようにしようと思いました。
あっそう感が半端ないwww
あっそうwww
もはや本あんま関係ないしw(ていうか、おっちょこちょいではなかった)
すごくくさいなら、僕は我慢出来ないだろうな
小1レベルの文章だなww
じんどんきの顔はこわいなと思いました
幼稚園レベルの文章だなwww
でもお兄ちゃんのほうがもっとこわいなあと思いました。
兄は怖かった。喧嘩すると殴られてたw
でもお兄ちゃんもやさしいところもあるからじんどんきよりこわくないなと思いました。
どっちやねんwww
熱湯のかまにそうべいたちがいれられようとしたとき、やまぶしが、「ちちんぷいぷいのぷうい。」とじゅもんをかけたらいいおんどになってすごいなあと思いました。
「すごいなあ」って万能の言葉だねwww
あらすじを「すごいなぁ」を交えながら書いていく作戦だねwww
すごくないことって物語の中にはあんま無いもんねwww
でもまほうつかいはほんとはいないから、やまぶしがやらなければできないんじゃないかなあと思いました。
そうだねwww
いないねwww
魔法使いはいないから、山伏じゃないとできないねwww
でも、魔法使える山伏もあんまいないよねwww
はりの山にほうりなげられたときそうべいは、はりの上をはだしであるいてすごいなあと思いました、ぼくもぼくの家族もみんなできないなあと思いました。
「すごいなあ」連発w
針山を裸足で歩くのは確かにすごいよねwww
でもサーカスだんみたいな人だったらできるんじゃないかなと思いました。
そうだねwww
サーカス団員はすごいなぁwww
えんま大王はがまんできなくてじごくからほうりだした人だなあと思いました。
え??www
ちょwww
意味わからなくなってきたwww
恐らく、疲れています。
そうべいはさいごにじごくからほうりだされて生きかえってよかったなあと思いました。
でも本当は、生きかえらないけれど、この本では生きかえれるんだということを言いたいんだなあと思いました。
恐らく、この時、疲れ切っていますww
作文用紙が3枚目に入るか!?入らないか!?という事しか考えていなかったと思います。
以前、3枚目に入って1文字で終わったら、先生に怒られた経験がありました。
「3枚目は1行目で終わってはいけない。」という脅迫観念によって何とか2行目まで行こうとしている苦しさがにじみ出ていますw
人生きかえるなんて不思議だなあと思いました。
は??ww
なんだって??ww
意味わかんねぇこと言ってんじゃねぇwww
もはや、日本語すらヤバイ。
しかし、これを書き終えた私は、達成感で溢れていたはずです・・・
コチラの感想文に対して、先生は完全にスルーでした。
よかった、スルーしてくれて・・・ありがとう先生w
どれほど、私にとって読書感想文が苦痛だったか、コレを見ていただければわかると思いますw
私にとって、原稿用紙3枚は、マラソンで言えば42kmくらいの道のりだった。
他の子達は1kmぐらいの持久走を走るような感じで文章を書いていたかもしれないが、私にとっては42kmだったのだ。
朝から夜まで、頭を捻って、1文、1文字、ゆっくり書いた。
一歩、一歩、歩き続けた42km
原稿用紙3枚の上をゆっくりと歩んだ。
20年後
28歳のおれが書いた文を見てくれ。
パンがあるから食べたくなる。また、パンを食べられるかもしれない、という気持ちが、余計に空腹の苦しみを増幅させる。
逆にどう足掻いても絶対に空腹を満たすことができないという状況であれば、空腹であっても諦めがつき、心が平穏になる。
みんなそろって飢餓であれば、それは当たり前となってしまう。
絶望の渦中にいても、もっと良い状態を知らなければ、その状況は絶望ではなくなるのではないか。
希望を常に見せられるということは、自分の絶望的状況を常に意識させられるのに通じる。
最初から地獄の針の山の上に生まれて、他の場所を知らずに生きれば、針の山もまた苦しいものではなく、当たり前のものになってしまう。
希望があるから、この世は地獄的なのだ。
これ書いたの誰?wwwレベルww
自分で言うのもなんだけど、20年経ってさすがに成長したなw
20年経って、私は再び地獄に想いをはせている。
今思えば、絵本「地獄のそうべえ」に出会ったのは、私の運命だったかもしれない。
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