皆さん。好きな植物はありますか?
私にはあります。
夾竹桃(キョウチクトウ)です。
夾竹桃は結構そのへんに生えています。
街路樹として植えられていることも多いし、民家の庭に植えられていることもあるし、学校とかにも植えられていることもある身近な植物です。
私が夾竹桃が好きな理由は花、葉、そして、毒です。
花は、白、黄色、ピンクなどの種類がありますが、私は白いやつが好きです。
キレイな花ですね。
青空に映えます。
そして葉っぱ。
硬めでしっかりしています。
表面はツルツルしている。
非常に良い。
生命力に溢れてる。
そして、なんと言っても、毒を持っているところが良いです。
キョウチクトウは尋常じゃない毒を持っています。
枝を箸代わりに利用し、中毒した例がある。
フランスでキョウチクトウの枝を串焼きの串に利用して死亡者が出た例がある。
1980年に、千葉県の農場で牛に与える飼料の中にキョウチクトウの葉が混入する事故があり、この飼料を食べた乳牛20頭が中毒をおこし、そのうちの9頭が死亡した。混入した量は、牛1頭あたり、乾いたキョウチクトウの葉約0.5g程度だったという。家畜がキョウチクトウを食べることで中毒症が問題になる。致死量は乾燥葉で50mg/kg(牛、経口)という報告がある。
枝がしっかりしているからといって、箸にしてはいけません。
死にます。
そして、牛が0.5gで死んでしまう毒の強さ。
尋常じゃない。
0.5gって、1円玉の半分ですよ。
私は夾竹桃を見るたびにこう思います。
「この葉っぱを1枚食べたら死んでしまう。」
「完全自殺マニュアル」という本の冒頭にこう書いてある。
強烈なドラッグを、金属の小さなカプセルに入れてネックレスにして肌身放さず持ち歩いている人がいる。「イザとなったらこれ飲んで死んじゃえばいいんだから」って言って、定職なんか就かないでブラブラ気楽に暮らしている。この本がその金属カプセルみたいなものになればいい。
引用:完全自殺マニュアル
私はこの本が好きです。
まぁ、たしかに一般的に言って問題がある本なのはたしかだけど。
でも、この本は、自殺を推奨してる本ではなくて、この文に見られるように「イザとなったら死んじゃえばいいんだから、ブラブラ気楽に生きようよ。」というメッセージがあるのだと私は解釈している。
つまり、メメント・モリ的な意味合いを持った本だと思うんです。
私は、夾竹桃を見るたびに死を思い出します。
こんなにも美しく、生命の強さに満ちあふれている夾竹桃を見るたびに、死を思う。
この対比がなんとも言えず、好きなのです。
コメント